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長谷川麻子(ファンダメンタルズ プログラム)

2023年度ファンダメンタルズ ルームAprilを開催しました

2023年4月の最終水曜日、4月26日19:00から20:40にかけて、オンライン非公開でファンダメンタルズ ルームAprilを開催しました。


このイベントは、ファンダメンタルズプログラム参加者を対象に、原則毎月最終水曜日に実施するもので、多様な背景を持つ人との対話を通じて自らの思考を省みつつ、ファンダメンタルに手を伸ばす(共通の正解/了解にたどりつこうとかではない)ことを目的としています。


2023年度最初の開催ということで、今年度新たに加わった科学者・アーティストも含め、過去最高の24名が参加しました(うち科学者2名、アーティスト22名)。


直近2回は、事前に参加ファンダメンタルズから話題を募り、話題提供者が各ブレイクアウトルームをホストする形式でしたが、今回は、これまでに集めた参加ファンダメンタルズの活動キーワードを事前に共有、気になるワードを3つ選んでもらい、得票数が多いものをテーマとしました。また、そのワードを選んだ人の中からホストを決めました。





参加者が多かったので、発言機会確保の観点から人数上限を設けたブレイクアウトルームを6つ用意しました。テーマとホストは固定で、参加者だけ入れ替え、2回対話を繰り返します。各ルームのディスカッションテーマとタイムラインは下記のとおり。


ディスカッションテーマ

(1) 存在

(2) 時空間

(3) 境界

(4) 言語

(5) 接触

(6) 食文化


タイムライン

19:00- intro(10min): 話題とホスト決め

19:10- session 1(対話20min + 共有10min):2-3名での対話

19:45- session 2(対話20min + 共有10min):2-3名での対話

20:20- closing(20min): 振り返り


どんな対話が行われたのか、参加者による記録を参考に、その一部を以下に紹介します。


ルーム (1) 存在では、自身の創作における「存在」の意味や在り方、「存在」とは何か?が話し合われました。


ルーム (2) 時空間では、時間芸術としての音楽に空間の概念をくっつけたい、という発言をきっかけに、フィクションとリアルのレイヤーが重なる空間が立ち上がっている等、バーチャル空間の話が盛り上がりました。創造行為の比喩としての空間についても、各自の見方を共有しました。


ルーム (3) 境界では、ないはずの場所に生じた「境界線」、“うち”にできてしまった“外側”、異文化・異言語との接触で感じた境目の意味、今ここが境界線上であるという感覚、リンゴの絵は絵の具でもあるという視点を境界として広がる視野の面白さ、境界を飛び越えることとしての表現など、表現者にとっての「境界」の多様な在り方から、境界をどうすることが表現になるのか、という共通の関心が浮かび上がり、漢字自体が厄介なので違う言葉があってもいいね、という点で意見が一致しました。


ルーム (4) 言語での議論を、ホストの方は、表現者は言語化できなければならないが、言語化しすぎてもいけない、表現者は作品を通して/言語とは違うところで思考していて、「言葉が後追いしていく」感覚がある、という表現でまとめておられます。


ルーム (5) 接触は、一見、ルーム (3) 境界と似たテーマに見えますが、こちらでは、自分と他者あるいは世界、触ることと癒しと芸術の関連性、進化や成長過程との関係などが、ユニークなワードとして出てきました。


ルーム (6) 食文化では、異なる食文化との接触体験にはじまり、“好き”と“食べる”の関係、コミュニケーションとしての食、料理と制作の類似など、普段の暮らしから制作現場にまたがる多彩な話題があがりました。


今回は、半数以上がファンダメンタルズの活動に初めて参加するメンバーだったこともあり、各ルームで人とアイデアの新たな出会いがありました。ルーム開催後も議論を続けられるよう、普段から交流や情報交換用に使用しているオンラインチャットアプリDiscord上に各テーマのチャンネルを作ったところ、いくつかのチャンネルで長文のやりとりがうまれました。Discordは、対面・オンラインでのイベント開催に加えて、参加者同士の交流を深めるツールとして、今後も活用できそうです。


次回も、気になるキーワードに投票して開催当日にテーマとホストを決める方式で、5月31日(水)に非公開で開催予定です。

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