背景
背景:美術・科学・社会は課題を持つ
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環境問題、LGBTQ/SOGI、BLMをはじめとした多様性の問題、文化人類学への参照など、昨今の現代美術の作品制作において、リサーチの占める比重が多くなってきている。
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その裏表の関係として、原理・普遍・真理といった概念の諦めがある。普遍・真理のような概念の、現代に適した形での再建はまた喫緊の課題であり、現代哲学においては、存在論の見直しに進展がみられる。
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科学においてすら、成果に結びつく研究が推奨され、基礎科学のような成果に結びつきにくい研究は、他の分野と比較すると追究することが難しくなってきている。
現状:わかりやすさとの相剋
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日本における科学とアートの交流の主流は、直接的な科学のアウトリーチの手段としてアートを科学に適用するものや、成果に結びつきやすい技術とデザインの交流にある。
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基礎科学、及び現代美術は、様々なアウトリーチを行っている。しかし、その特性ゆえ、広く一般にアピールすることは困難を極める。
課題:個の分断
様々なレベルにおいて、多様で具体的な個がバラバラに存在している。どのようにしたらその個々はつながりを持つことができるのか。安易なわかりやすさとは別に、個でありながらも他者と共有できるような仕組みを作ることが課題となる。
解決方法:美術・科学・社会を”普遍”を媒介として結びつけ直す
科学と美術は、方法、出力、マナー、全てが大きく異なるが、基本、根本、基礎を追うという点においては等しい。幾層もの異なりを飛び越えて、もし両者がその点において正しくまみえることができたならば、それは”真理”や"普遍"に触れることである。彼らがまみえるその場が広く一般に拓かれることは、科学と美術が社会と、そして社会が普遍や真理と、新たにつながり直す試みとなる。
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研究者・作家の汎用的な交流・開示モデルを構築する
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研究者・作家のプラットフォームを形成し広く一般的に拡張する
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まだ見ぬ真理を追うことの重要性について、広く世論の合意形成に努める
→各領域の活性化。新たな文化の形成