2022年11月26日土曜日、9:00から13:40にかけて、オンライン非公開でファンダメンタルズパーク秋を開催しました。
このプログラムは、ファンダメンタルズプログラム応募者を対象として非公開で実施するものです。目的の1つめは他のファンダメンタルズがどのような交流をしているのかを相互に知ることで、方法論を共有すること、及び、当該のペアには気づかない視座の交換を期待すること。もう1つは、普遍・真理にまつわる研究を行う哲学研究者からのコメント及び話題提供により、ペアの交流をより広い視座において検討する機会を提供することにあります。
前半は、2022年度応募の寺田健太郎さん (宇宙地球化学) と北野謙さん(アーティスト)のペアを代表して北野さんから、一ノ瀬俊明さん (都市環境学)と大槻唯我さん(アーティスト)のペアを代表して一ノ瀬さんから、そして巴山竜来さん (数学/グラフィックスプログラミング) と山本雄基さん(アーティスト)のペアを代表して山本さんから、3組のペアによる現在までの交流の紹介、それについて山内志朗さん(西洋中世・近世思想、倫理学と形而上学)と増山浩人さん(ドイツ哲学)からのコメントがありました。
後半は山内さんによる「生成する普遍」と題した話題提供の後質疑を行いました。その後gatherに場所を移し懇親会を行いました。 なお、山内さんのセミナー部分についてはこちらに公開しています。
フィードバック
参加者は、科学研究者4名、哲学研究者3名、アーティスト6名の合計13名でした(登壇者含む)。
フィードバックは登壇者含め6名からあり、内容については前半、後半ともに、全員満足という回答(「満足」「やや満足」)、時間配分については、回答のあったものについては全員ちょうど良いという回答でした。
参加して得た収穫として、哲学ゲストについては、
ライプニッツのモナドの動きや力の話などいただいた。(アーティスト)
「分割原理としての普遍」の話。(アーティスト)
視覚について、様々な角度の話が聞けたこと。(アーティスト)
人々は昔から普遍を求めて進歩してきたという事。現代でいう、またファンダメンタルズで説かれる普遍は、様々な普遍の形をオープンにする機会、新たな普遍に出会う機会なのかもしれないと思った。(アーティスト)
新たな哲学ゲストの視点の一部を共有することができた。(アーティスト)
進捗の共有については
プロジェクト全体が上手く進んでおり、様々な新しい展開が起きていることが分かった(不明)
アーティストと科学者のバランスの取り方がそれぞれ特徴があるのがよくわかった。(アーティスト)
どのペアも最初に大きな目的を設定しないで交流の過程を楽しんでいる印象を受けた。こうした交流の共通点が見えてきたこと。(哲学)
前半の交流紹介については、
違う視点を持つお二方の哲学的視点からのコメントがあるのはとてもありがたい。(アーティスト)
個人的に仮説として考えていたことを思い切って話してみてよかった。考える視点をいくつもいただいた。やはり哲学は重要と思った。(アーティスト)
意外と作品という意識に向いてる人たちが多いという事が面白かった(アーティスト)
自らの活動の参考になった(不明)
光の現象をモチーフとしている北野さんが光を感知できない人たちと交流する事で、光の種類が増えていくのが面白い(アーティスト)
巴山さん×山本さんペアの発表が面白かった。お二人の間の芸術観の微妙なズレが交流を進めるエンジンになっているような印象を受けた。(哲学)
一ノ瀬さんの制作中の映像は、とても新鮮。スケールの大きな作品になる予感を感じた。(アーティスト)
山本さんの発表は、具体的な目標設定のもと、実際に共同制作をしていて、刺激になった。(アーティスト)
改善点は、
お互いの意見が発表中にライブで出てきたらより面白いだろうなと思う。(アーティスト)
ペア2人それぞれの視点が混ざった発表の方が、それぞれの視点の差異が見えたり意外性も取り入れられそう。(アーティスト)
ペアの方が二人とも参加してくださるといっそう議論がしやすい。(哲学)
全体的に質疑がもっと参加者からもでてもよいかなと思った。土曜の朝イチの時間設定は検討しても良いかもしれない。(アーティスト)
後半のセミナーについては、
「普遍」という意味の不確定さを、少し整理できるような具体例の話だった。「存在」についての考察部分ももっと深掘りしたいと思える話題だった。(アーティスト)
中世哲学の非常に専門的な話を聞けて面白かった。(哲学)
最近気になっている神学に近しい内容だったので、もう少し普遍性とは違うキリスト、キリスト教についてお話し聞きたいなと思った。(アーティスト)
講演スライドがもう少し概念的が伝わるように工夫した方がいいかなと思いました。(不明)
改善点としては、
気になった部分で都度質問できるといい。(アーティスト)
今日話題にのぼった普遍の考え方は、現代哲学においてはもう問題化されていないトピックのか?あるいは専門的すぎて普遍と言えないのか?進行形の問題との対象化視点も欲しい。(アーティスト)
哲学分野の専門的な議論を科学者とアーティストの方がどのような形で理解し、そこからどのような刺激を得たのか気になった。(哲学)
他自由意見として、
得意な話題にどんどん近づいてきた(科学者)
参加率を高めるには連絡を、早めに/何度か/様々な媒体で連絡すると良いのでは。(不明)
芸術、科学に加え、哲学の視点が色濃く混じってくるパークの機会は、前回も今回も参加しがいがあった。(アーティスト)
自由参加ムードが強いが、より人数多い方が芸術科学哲学が混じる度合いが高まってパークの面白さもより高まりそう。(アーティスト)
ギャザーならではの打ち上げっぽくなっていくとよい(ダラダラ長く打ち上げたり各自アルコールを入れる?)
次回の課題としては、ペアでの発表の実現、告知計画、時間設定、gatherの活用について検討したいと思います。
ここで発表したペアを含む、現在ファンダメンタルズ プログラムで交流中の科学者とアーティストの途中経過を共有する「ファンダメンタルズ フェスmini 2022」を12月24日(土)ー25日(日)駒場小空間で開催します。こちらは一部一般公開を行います。
概要
ファンダメンタルズ パーク 秋
日時:2022年11月26日(土)9:00-13:40
ゲスト:山内志朗(西洋中世・近世思想、倫理学と形而上学)、増山浩人(ドイツ哲学)
プログラム:
9:00-9:45 session 1:
寺田健太郎 (宇宙地球化学) × 北野謙(アーティスト)/ 発表者:北野
9:45-10:30 session 2:
一ノ瀬俊明 (都市環境学) × 大槻唯我(アーティスト)/ 発表者:一ノ瀬
Break
10:40-11:25 session 3:
巴山竜来 (数学/グラフィックスプログラミング) × 山本雄基(アーティスト)/発表者:山本
11:25-11:30: 他ファンダメンタルズのプロセス共有
11:30-12:30 seminar(30分話題提供+30分議論)
12:30-12:40 フェスmini 説明会
Break
12:50-13:30 gatherで懇親会(食事をとりつつ)