2023年6月24日土曜日、13:00から16:40にかけて、オンライン非公開でファンダメンタルズパーク夏を開催しました。今年度初のパークの開催となります。
このプログラムは、ファンダメンタルズプログラム応募者を対象として非公開で実施するものです。目的の1つめは他のファンダメンタルズがどのような交流をしているのかを相互に知ることで、方法論を共有すること、及び、当該のペアには気づかない視座の交換を期待すること。もう1つは、普遍・真理にまつわる研究を行う哲学研究者からのコメント及び話題提供により、ペアの交流をより広い視座において検討する機会を提供することにあります。
前半は、2022年度応募で、ペア形成をせずにプログラムに参加しているLife is a Poemさん、そして難波亮(理論的宇宙論)さんと森政俊(アーティスト)さんのペア、2組による現在までの交流の紹介があり、それについて田中均さん(美学)からのコメントがありました。
後半は田中さんによる「美的な価値についての最近の議論」と題した話題提供の後、質疑を行いました。その後gatherに場所を移し懇親会を行いました。
なお、田中さんのセミナー部分についてはこちらに公開しています。
フィードバック
参加者は、科学研究者6名、哲学研究者1名、アーティスト20名の合計27名でした(登壇者含む)。
フィードバックは9名からあり、内容について、交流紹介は全員満足という回答(「満足」「やや満足」)、セミナーは、12%が「普通」、88%が満足という回答(「満足」「やや満足」)になりました。時間配分については、交流紹介は全員「ちょうど良い」という回答でした。セミナーは23%が「短い」という回答で、77%が「ちょうど良い」という回答でした。
参加者のフィードバックによると、参加者は交流紹介に、ペアがお互いの考えを本質的に理解しようとし、水平に対峙する様をみました。制作と研究のコラボレーション方法を観察し、異なる角度からの視点を楽しむことや自発的な探求の重要性を改めて認識したようです。発表者としては、自分の思考を色々なパースペクティブから捉える良い機会となったことがわかります。
一方、アーティスト側から科学者への学びが多い中で、科学者が何を収穫し、どのように変化したのかについて更なる情報共有が望まれています。また、聴講側が積極的に質問や議論に参加することが提案されており、次回の課題として検討が必要です。
技術的な問題として、一部の参加者の音声が途切れてしまう事態があり、これに対する事前の環境チェックの重要性が指摘されました。
セミナーについては、具体的なプロジェクトの美学的考察や美学の現代状況の説明はわかりやすく、興味深い内容であると反響がありました。また、美学の歴史や考え方を学ぶことができたことも評価されました。議論において美学と理系研究の視点が融合されることで、参加者にとって新鮮な経験が提供されました。
一方で、より理解を深めるために、各時代の社会状況や講師の現在に焦点を当てる部分の説明が望まれています。また、スライドと話し言葉の内容の重複を減らすことや、セミナーセッションの時間をもっと増やすことが提案されています。
参加者は、先行する交流活動を見聞する機会を得て、他の参加者の問題意識を理解することで視野が広がり、科学の客観性について新たな理解を深め、科学者とアーティストによるほかでは出来ない対話を体験し、大きな共感を得たようです。また、セミナーは、アーティストの制作過程を解きほぐす助けとなり、特定の概念への理解を深め、自身の活動を概観し整理する手段となったようです。
発表者は、他者とのディスカッションにより、様々な思考の交流ができ、刺激をえたようです。
概要
ファンダメンタルズ パーク2023 夏
日時:2023年6月24日(土)13:00-16:30
ゲスト:田中均(美学)
プログラム:
13:00-13:45 session 1:
Life is a Poem(2022年度参加/アーティスト)
13:45-14:30 session 2:
難波亮(2022年度参加/理論的宇宙論)x 森政俊(2022年度参加/アーティスト)
Break
14:40-14:45 他ファンダメンタルズのプロセス共有
14:45-15:35 seminar(20分話題提供+30分議論)
15:35-16:05 バザール2023説明会 / gatherで懇親会
-16:30 gatherで懇親会
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