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  • 遠藤和紀(アーティスト)

2023年度ファンダメンタルズ ルームFebruaryを開催しました


今回は「支配・被支配」というテーマでセッションを行いました。1回目の参加者はコイズミさんとヒロイさん。お二人ともアーティストです。まずコイズミさんから「世界史教育の国による違い」という話題をご提供いただきました。日本の教科書は世界的に見て実証主義的でニュートラルな書き方をされていて、他の国ではもっと扱うボリュームや言い方に偏りが多少あるということでした。それによって子供達は無意識的にインプリントされた価値観がコアに固定されているのではないかという投げかけもありました。またオランダ在住のヒロイさんからは、海外から日本を見ると、やはり日本は特殊で、ルールに縛られ、あるいは縛られることに慣れているというお話をいただきました。観光地なの注意看板などがそうです。客観的事実を学ぶが、それに対して意見を持とうとしない日本人に対して、ヨーロッパの子供達は(内容はさておき)意見を持っている、という点では「しっかりしている」印象があるということでした。また、「民主主義」という考え方も日本に比べ、ヨーロッパでは身近なイシューとして生活感覚に近い考え方になっているということでした。発展して、「自由とは?」「パブリックとは?」といった話題に発展しましたが、残念ながら時間が足りませんでした。


2回目のセッションはアーティストの椛田さんとサイエンティストの一ノ瀬さん。一ノ瀬さんは、「環境教育」の現場では、だいぶ国や地域によって内容と事実が異なることがあるというお話でした。当然それぞれの国で「教科書」として教えられたことは、簡単に思考の中心から動かすことが難しいということでした。椛田さんからは映画『THE WAVE』から、洗脳、集団教育の怖さという話題を提供していただきました。この映画は実在の事件をもとに、高校生たちが集団狂気にのめり込んでいった5日間の心理実験を描いたドイツ映画です。そして話はインプットからアウトプットへ移り、そうして「教えられた」情報や世界観はいつ壊され、アップデートできるのかという話題になりました。そういった枠組みを批判的精神によって「正しく」変えることができるとしたらその条件は何か?例えば科学の世界では「その世界」を十分に理解した上で批判を提示しなければならない。すなわちそれらが可能になるのは大学生以上なのか?あるいは子供でも無邪気の中にも真理を表現していることもあるのではないか、という話題になったところで今回は終了。


毎回、話題が沸騰しかけたところで終了というのが歯がゆいところでもあり、このショートセッションの面白さでもあります。皆様お疲れ様でした。


記:遠藤和紀(アーティスト・ルームホスト)


 
開催概要

実施日:2024年2月28日(水)19:00-20:10

参加者:6名(7名)

実施方式:20分のセッションを2セット実施。10分間で全体でなされた会話を共有した。

部屋:もう1つの部屋のホストは、Life is a Poemさんによる「廃止棟で展覧会をすること」。


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