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  • 冨田秀一郎(発生生物学)

2023年度ファンダメンタルズ ルームJanuaryを開催しました

更新日:3月5日




今年初回のルームが1月31日に開催されました。ルームはファンダメンタルズプログラムが主催する非公開イベントで、多様な背景を持つ人との対話を通じて自らの思考を省みつつ、ファンダメンタルに手を伸ばす(共通の正解/了解にたどりつこうとかではない)ことを目的としています。今回は私が以前からお話をお聞きしたかった「進化」をテーマに提案してホストを務めました。参加者は科学者2名アーティスト6名の計8名でした。4名でのグループディスカッションを20分ほど2回行いました。


進化の部屋で私がテーマとして提示したのは「進化」という言葉からどのような印象を受けるか、どんな意味で使っているのか?です。1回目のセッションでは…。改善した、より良くなった、といったように結果が見えている印象がる一方で優生思想を想起させ躊躇なく使うことに不安感もある;形状が変化すること、またそれにより新しい環境に沿う、なじむ、フィットする、適応する;より良くなり続けているという前提で良いことに聞こえる一方で絶滅も進化なのでは?といった意見が出ました。価値判断が入っているという点では一致を見た一方で、進化の反対は何かという問いが生まれました。これに対して私からは、進化は時間の流れの方向に向かって起こることなので、時間を逆回しにすれば進化の反対になる、というよくわからない説明をしてしまいました。参加者はコイズミアヤさん、吉田ゆうさん、Life is a Poemさんでした。


2回目のセッションでは…。人間の感覚や理想に近づくこと、その意味で方向性がある;正解はない中でモデルチェンジをするという意味かあるいは良くなっているという含意があるのか;進歩や変身に言い換えられる事象のメタファーとして使われるのではないか、また確率的なイメージもある。一方で文化が進化するなどと言う場合にはより長い時間を引き合いに出しているのか?といった意見が出ました。ここでも総じて進化に方向性を感じているという結果に興味を惹かれました。参加者は椛田ちひろさん、木村亜津さん、前川紘士さんでした。


もう一つの部屋は一ノ瀬さん(都市環境学)がホストをされ、アーティスト・イン・レジデンス活動について、地域の人と自分両方にとってwin-winとするためには例えば美術教員のようなその間をつなぐ役割を担う人が重要であること、アーツカウンシルのような公的なお金はそれによってアーティスト側の活動にdutyが生まれてしまう懸念があること、地域のリソースをうまく使うことなどが話題となったようです。


進化は生物学の話題としては一般の方々からの興味が常に高いものですが、一方でその概念をつかむことが難しく最新の研究が何を明らかにしたのかを説明することはなかなか骨の折れる仕事です。これから先、科学コミュニケーションを行っていく際に留意すべき点を考える上で大変参考になりました。また同時にアーティストの方々それぞれの言語センスに改めて舌を巻いた次第です。ありがとうございました。


記:冨田秀一郎(発生生物学・ルームホスト)

 

 

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