主に科学分野の研究者、現代美術分野のアーティスト、そして一般の皆様を対象にしたオンライン連続セミナー「ファンダメンタルズ トーク」は、来年6月に実施予定の科学者と美術家のミートアップイベント「ファンダメンタルズ バザール」当日の交流をより深いものとすることを目的に、全11回、月に1度実施してゆきます。人文・美術分野の専門家を招聘して科学の本質や美術の本質にまつわる多様な視点を提供する包括シリーズと、隣接部会のメンバーが所属する研究機関の研究者が自身の研究内容を伝えるサイエンスシリーズを、交互に実施します。
なお、ファンダメンタルズ トークはファンダメンタルズ バザールの説明会を兼ねています。是非お気軽に質問をお寄せください。
第9回目となる今回は、科学史専門家をお招きし、我々の感覚世界と数学との関係についてヨーロッパ近代までの議論を中心に伺います。
スピーカー
東慎一郎 (ひがし・しんいちろう)
1971年生まれ。専門は科学史。東海大学スチューデントアチーブメントセンター(旧現代教養センター)准教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学、トゥール大学大学院(フランス)博士課程修了(PhD、哲学)。フランス学士院よりアカデミー・フランセーズ・マルセル閣下賞受賞(2019年)。著書に『ルネサンスの数学思想』(名古屋大学出版会、2020)ほか。
モデレータ:坪井あや(JACST隣接領域と連携した広報業務部会/東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU))
テーマ
「数学と感覚世界ーーヨーロッパ近代までの議論をもとに」
感覚というものは、言語化しがたいほど多様な色合いに満ちており、また私たちにきわめて近いもので、私たちに存在の実感を与える。他方、私たちの行う〈数える〉〈測る〉という行為は、感覚に根ざしながらも、非常に知的な面がある。数式や図形がもつ厳密さは、どうやら感覚なしには存在しえないものの、ほかの感覚とは明らかに異質である。感覚と数学の関係は、ヨーロッパ哲学では古くから議論されてきた問題である。なかには、数学的認識の方が自然現象の認識より感覚に“近い”とされる場合もあった。今日は、ルネサンス・ヨーロッパで見られた数学の哲学を若干振り返り、それを題材にあらためて感覚と数学の関係について考えてみたい。
プログラム
19:00-19:05 イントロダクション
19:05-19:15 「ファンダメンタルズ バザール」趣旨説明と質疑
19:15-19:35 スピーカーによる研究紹介
19:35-20:15 モデレータによるヒアリング
20:15-20:30 質疑
*当日の状況により、時間は前後する可能性があります
概要
タイトル: ファンダメンタルズ トーク vol.09 数学と感覚世界ーヨーロッパ近代までの議論をもとに
日 時: 2021年4月30日(金)19:00-
会 場: オンライン開催(JACST 隣接領域と連携した広報業務部会 Youtubeチャンネル)
対 象: 現代の美術に携わる方々、最先端科学を中心とした分野の研究者、中高生/大人
参加費: 無料
定 員: なし
申 込: なし
主 催: 科学技術広報研究会(JACST)隣接領域と連携した広報業務部会
共 催: 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)
助 成: 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
協 力: 大阪大学大学院理学研究科