最終回の第11回目となる今回は、造形作家の岡﨑乾二郎氏をお招きし、芸術における抽象について伺います。当日は、翌日から開催、翌々日には生配信が行われる「ファンダメンタルズ バザール」特設会場(日本科学未来館 7階 木星)からお送りします。会場の様子、設営の様子などもお伝えできる予定です。 ※事前申込が必要です。アーカイブ配信では一部参考資料を削除の予定ですので、ぜひお申し込みの上、当日ご視聴ください。
主に科学分野の研究者、現代美術分野のアーティスト、そして一般の皆様を対象にしたオンライン連続セミナー「ファンダメンタルズ トーク」は、科学者と美術家の交流「ファンダメンタルズ バザール」当日の交流をより深いものとすることを目的に、全11回、月に1度実施してきました。人文・美術分野の専門家を招聘して科学の本質や美術の本質にまつわる多様な視点を提供する包括シリーズと、隣接部会のメンバーが所属する研究機関の研究者が自身の研究内容を伝えるサイエンスシリーズを、交互に実施しました。
スピーカー
岡﨑乾二郎 (おかざき・けんじろう)
造形作家、東京大学大学院客員教授、武蔵野美術大学客員教授。1955年東京生まれ。1982年パリ・ビエンナーレ招聘以来、数多くの国際展に出品。総合地域づくりプロジェクト「灰塚アースワーク・プロジェクト」の企画制作、現代舞踊家トリシャ・ブラウンとのコラボレーションなど、つねに先鋭的な芸術活動を展開してきた。2017年、豊田市美術館にて開催『抽象の力―現実(concrete)展開する、抽象芸術の系譜』展の企画制作を行う。2019〜2020年、同美術館にて『岡﨑乾二郎 視覚のカイソウ』展を開催。
主著に『抽象の力 近代芸術の解析』(亜紀書房 2018年)、『ルネサンス 経験の条件』(文春学藝ライブラリー、文藝春秋 2014年)他。芸術選奨文部科学大臣賞(評論等部門)受賞(2018)。作品集として『視覚のカイソウ』(ナナロク社、2020)、『TOPICA PICTUS』(urizen、2020)他。
モデレータ:坪井あや(JACST隣接領域と連携した広報業務部会/東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU))
テーマ
「芸術における抽象ーー主体を生み出す虚構(その解体→脱構築)としての抽象」
芸術表現を社会的存在として位置づけるとき避けられない《作者》。この一点と社会との関係に、おおよそ芸術の創造する interest は回収されてしまう。
一方で芸術がもし創造的な活動たりうるならば、この(固定された)主体を外し、消去し、あるいは別の構造を生成させていく運動が必須となる。つまり主観として定位され(括弧づけられ)てしまう認識(および対象)を脱主観化し、普遍化する運動が芸術的実践の核心になろう。
芸術における理論(抽象性)とは、リアルな知覚認識の実体的(具体的)変貌として現れる。
フィリッポ・ブルネレスキの仕事などを例に、主体(主観、およびそれが位置づけられる空間、時間)という虚構の解体と生成の原理として芸術を考えます。
プログラム
19:00-19:05 イントロダクション
19:05-19:15 翌々日開催の「ファンダメンタルズ バザール」特設会場から会場の設営の様子を紹介
19:15-20:15 講義
20:15-20:30 質疑
*当日の状況により、時間は前後する可能性があります
概要
タイトル: ファンダメンタルズ トーク vol.11 芸術における抽象ーー主体を生み出す)虚構、その解体→脱構築)としての抽象
日 時: 2021年6月4日(金)19:00-
会 場: 日本科学未来館 7階 木星から配信(JACST 隣接領域と連携した広報業務部会 Youtubeチャンネル)
対 象: 現代の美術に携わる方々、最先端科学を中心とした分野の研究者、中高生/大人
参加費: 無料
定 員: なし
申 込: 申込む
主 催: 科学技術広報研究会(JACST)隣接領域と連携した広報業務部会
共 催: 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)
助 成: 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
協 力: 大阪大学大学院理学研究科
ファンダメンタルズ バザール
2021年6月6日(日)、科学者とアーティストの交流の展示「ファンダメンタルズ バザール」の無観客ライブ配信を、日本科学未来館 特設会場より配信します。
本企画では、様々な分野から集まった10組20名の科学者とアーティストの交流の開示を通じ、普遍の可能性と意義について考える機会を提供します。科学技術広報研究会 隣接領域と連携した広報業務部会と東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)が主催。
一見真逆に見える科学者とアーティスト。実は両者には、その最も本質的な部分に、普遍に通じる何かを追うという共通項があります。配信を通じてその多様なあり方をを見、聞き、思考し、他者とその思考を交換してみませんか。10組20名の交流は全て1対1で行われ、哲学の研究者がモデレートします。要申込。