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  • ヒロイクミ(アーティスト)

2023年度ファンダメンタルズ ルームAugustを開催しました

ファンダメンタルズ プログラムが主催するグループディスカッションである「ルーム」が7月30日にオンライン(非公開)で開催されました。参加者は、ファンダメンタルズ参加者の活動キーワードの中から事前に気になるトピックを事前に3つ選び、その中でより多くの人が興味をもったトピックが題目になります。今回は、「自然、環境、地理、都市、気候」「神話」「SF・プロトタイピング」「文化環境・フィールド研究」が題目となり、私は「SF・プロトタイピング」について話す「部屋」でホスト(司会役)を務めました。20分程のグループディスカッションを2回行いました。



はじめの「SF/プロトタイピング・ルーム」では、アーティストのコイズミアヤさん、山崎阿弥さん、キンミライガッキさんが参加しました。ここでは、「身近にあるSF、たとえば本とか」と「現状にあるSF的なもの、AIなどをポジティブなものとして据えているかネガティブなものとして据えているか」という内容について話しました。

私はその時の気分で、なんとなくトピックを決めていますが、みなさんはどのように選ばれているのでしょうか?コイズミさんが「えっと、プロトタイピングって言葉を今ググりました」と始めてくださり、ホッとしました。私もSFもプロトタイプにも詳しくないです。彼女は、『文學界8月号』の円城塔の言葉(ここに少し載っています:https://note.com/bungakukai/n/n8f4c68711ffb)を通して、「言語とChatGTP」について考えたそうです。続いて山崎さん。『ニューロマンサー』(ウィリアム・ギブスン著)や『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(アンディ・ウィアー著)、ネットフリックスの『ブラックミラー』の短編にある話(多分シーズン2の 『ずっと側にいて』)をふまえて、「新しいテクノロジーが生まれたときに、どのように人間がそのテクノロジーに接し、どのような体験をするのかという部分に興味がある」と話してくれました。技術・プロトタイプのワークショップのご経験もあるキンミライガッキさんは、「テクノロジーが発展しても、人間の感情の幅が広がるわけではない。科学コミュニケーションで乗り越えられるのだろうか?」と。とは言え、彼はテクノロジーの進展を基本的にはポジティブに捉えているとのことでした。(内容とは関係ありませんが、キンミライガッキさんは、タクシー、もしくは誰かが運転する車で移動する中からの「ルーム」参加でしたので、ZOOMの背景には、東京の夜のライトを反射する赤黒くツヤのある座席が写っていました。SFっぽくもあり、映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』のようでもありました)


この部屋では、本や映画などの情報交換がとても楽しい回でした。私が思い浮かんだのは、19世紀終わりのFin de siècle、スパイクジョーンズ監督の映画『Her』や、ベルギーであった事件(男性が、イライザというAIチャットボットと地球の未来について会話した後、自殺をした)です。しかし、時間の制限もあり、考えを深めていくディスカッションではなかったかもとすこし反省。もしかしたら、ひとつのトピックを1回長時間話す「ルーム」もよいのかも。2回目の交流は、質問を変えてみようと思いました。


2回目の「SF/プロトタイピング・ルーム」では、アーティストの金孝妍(キムヒョヨン)さん、Life is a Poem(宇都宮真木)さんがいらっしゃいました。問いは、「今から50年後、地球はどうなっているかと思いますか?」金さんが「人間と機械が一緒になっているような感覚があるけど、人間が機械をコントロールしていると思う」とのことで、テクノロジー(AI)が人間の能力を凌駕するような未来を想像する私は、「資本主義は、戦争がない限り、貧富の差をもっと広げて、テクノロジーの恩恵を受ける層とそうではない層を引き割ける。そしてその後、機械が最終的には人間が想像できない知性をもつかも」と続けました。この話は資本主義を代替するシステムが出てくるのか?という話にずれつつ、東京を離れて、椅子作りもされている宇都宮さんが、クラフト・プロトタイピングについて話をしてくれました。「今まさしく、椅子をプロトタイピングで作っていたりするのですが、クラフトには、その時間の使い方や精神に、資本主義から離れる部分があるかと思います。今群馬県にいて、アントニン・レーモンドの建築を見にいってきたのですが、ずいぶん昔に建てられたものなのに、自然を尊重していて、現代の人が望む生活の文脈を先取りしたようなスペースになっていました」アートでも、今は見えていない世界を可視化させることができるし、その要素は、SFにも共通すると皆でまとめました。現在がプロトタイプであるかのように、未来の人々が(時間を経て)現実として追体験をする。プロトタイプとして作れる地球の数は残念ながら一つですが。


このオンラインで行われる「ルーム」も、1世紀前の人々にとってはSFです。「ルーム」での交流は、皆で話すことで、遠くまで行ける、見えない景色を見るチャンスがあることだと思います。と同時によい気分転換にもなります。皆さん楽しい時間をありがとうございました。


記:ヒロイクミ(アーティスト、ルームホスト)


 

(運営から)今回の参加者は15名でした。



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