2022年7月23日(土)、24日(日)の二日間、2回目となるファンダメンタルズバザールを東京大学駒場小空間で開催しました。収録の一部を、8月6日(土)から7日(日)の週末とお盆期間の11日(木)から16日(火)まで配信という形で一般公開しました。
目次
前回からの変更点
会場設営
参加者総覧
発表質疑形式の交流
直接的な交流
他者を介した交流
一般公開
概要
全体
発表・質疑
他者を介した交流
直接的な交流
パートナー候補
1. 実施目的
様々な分野の科学者とアーティストに、この協働プログラムに参加することで、当面はわからない、辿り着けないこと(普遍)を希求する機会を提供します。
この、個人を基盤に置いた科学とアートを"普遍"を通じてつなぐ試みを広く一般に開くことにより、科学とアートと社会を新たに繋ぎなおします
上記の実験により、新たな文化が生まれてくることを期待します
3. 上記の実験のための汎用的な仕組みを実践的に生成、広く共有していきます。
科学者とアーティストのペアリングについての指標
科学者とアーティストの交流モデル
科学者とアーティストの交流プラットフォームの形成、コミュニティの形成
科学者・アーティスト・社会の交流モデル
2. 実施概要
2-a. 参加者
科学者とアーティストは一般公募で参加者を募った。参加したのは、
科学からは、
一ノ瀬 俊明(都市環境学, 国立環境研究所 主幹研究員)
大黒 達也(神経科学/計算論的音楽学, 東京大学 IRCN 特任助教)
寺田 健太郎(宇宙地球化学, 大阪大学 教授)
難波 亮(理論的宇宙論, 理化学研究所 iTHEMS 上級研究員)
巴山 竜来(数学/グラフィックスプログラミング, 専修大学 准教授)
福永 真弓(環境社会学, 東京大学 准教授)
の6名。そのうち4名が自主応募、2名を隣接部会がコーディネートした。実際は5名の応募があったが、バザール開催日の変更に伴い1名参加辞退となった。
美術からは、
安里 槙(現代美術/インスタレーション)
飯島 暉子(インスタレーション)
入口 可奈子(空間構成のようなこと)
宇都宮 真木(今はアップサイクル(放棄竹林の竹・牛乳パックなど))
大槻 唯我(写真)
北野 謙(写真)
三好 由起(インスタレーション)
森 政俊(写真)
山口 貴子(ミクストメディア)
山本 雄基(絵画)
吉田 ゆう(写真複写技法)
の11名で、全て自主応募だった。実際は16名の応募があったが、会期の変更やアーティストの受け入れ体制を整えるために時間を要した結果、5名参加辞退となった。
哲学からは、
桑原俊介(美学, 上智大学 准教授)
佐藤真人(西洋近世哲学, 法政大学 准教授)
増山浩人(ドイツ哲学, 電気通信大学 准教授)
の3名で、形而上学を専門の1つとする研究者を、隣接部会がコーディネートした。
2-b. タイムライン
2022年3月末日:公募を終了。1組20名の応募。
4月23日、27日:参加者説明会と個別面談を実施。1名辞退。
5月25日:「ファンダメンタルズ ルーム May」開催
6月3日:参加アーティストと科学者にパートナー候補者を通知。
6月20日:参加科学者追加のお知らせ。5名辞退。
6月27日:パートナー候補者仮確定のお知らせ。
6月29日:「ファンダメンタルズ ルーム June」、参加者当日プログラム説明会 実施
7月3日:パートナー候補者変更希望受付
7月15日:パートナー候補者確定のお知らせ。
7月23日、24日:ファンダメンタルズ バザール 開催
8月6日(土)、7日(日):ファンダメンタルズ バザール 一般公開
8月11日(金)ー16日(火):ファンダメンタルズ バザール 一般公開 プレイバック
2-c. コーディネートの手法
隣接部会が全参加者に面談を行った。応募動機、参加目的、これまでの活動について伺い、応募者・運営双方における期待値設定の確認を行うと共に、用意した指標ーー対象の傾向(大きさ、基礎/応用のどちらか、具体/抽象のどちらか)と、仕事の仕方(理論/実験/解析)についても、自身の傾向と、パートナーに求める傾向、それぞれを聞いた。
面談の内容を元に、隣接部会が追加科学者をコーディネートした。
指標とキーワードを元に、22名の応募者につき、それぞれ1-5名のパートナー候補を仮指定し、意向を確認した。意向を加味し、パートナー候補を最終決定した。
2-d. 実施内容
バザール当日の2日間の交流プログラムとしては、一見全く異なる科学者とアーティストが"正しく"まみえることができるよう、3つのプログラムを階層構造に設計、実施した。
後日、期間を限定し、実施した交流プログラムの一部を一般視聴者を対象として配信した。また対話プログラムを一般視聴者を対象として開催した。
2-d-i. 前回からの変更点
前回の課題として複雑なオペレーションが挙げられた。そのため今回は、
研究者とアーティストの交流と、その一般公開を分割して実施することにした。
全体の規模を縮小、研究者の数を10名から6名に減らすことで、島を4つから2つへ縮小した。
新たな課題として、公募の結果、アーティストと研究者の応募数が大きく非対称となり、現在の設計では参加できないアーティストが多数出ることがわかった。そこで、アーティストについては初日は1名あたりの持ち時間を短くし(発表時間を短くし、2名1組で質疑を設ける)、2日目は交流機会を均等としない(他者を介した交流の機会がある場合とない場合を設ける、直接的な交流の交流人数を均等にしない)ことで、全てのアーティストに参加の機会を提供することとした。結果的に辞退があり現在の参加人数となった。
ペア成立数を抑えるため、バザール終了後に尋ねるパートナー希望についても、前回は第3希望まで聞いたが、今回は第2希望までとした。
応募時からアーティスト同士の交流の機会を求める声が複数あったことから、月に1度、任意参加の参加者同士のオンラインでの交流の機会「ファンダメンタルズ ルーム」を開始。昨年度応募者を含めた全ファンダメンタルズを対象にバザール会期までに2回を開催、過去に実施した「ファンダメンタルズ トーク」を題材として議論した。
ルームの開催により事前の交流が可能となることから、会期前の参加者総覧を通じた交流は実施せず、当日に配布することとした
2-d-ii. 会場
昨年同様、会場は、単なるブース展示のようなものとはせず、参加する科学者、アーティスト、哲学者にとっては、普段ではつながらないようなところがつながるような、同時多発的にあちこちで常に活発な交流が起きているバザールのような、非日常的な空間となることを求めた。今年は空間を都度都度仮組みすることが前提されている、小劇場の空間で行った。
2-d-iii. 参加者総覧
21名の科学者とアーティスト、哲学者がヴィジュアルを1点使って*自身の営みを説明する参加者総覧を作成し、開催当日、テキストとビジュアルを通じた交流を行った。これは一般視聴者にもオンラインで配布した。
*哲学の方はビジュアル不使用
2-d-iv. 発表質疑形式の交流
初日は、科学者とアーティストが参加者以外の視線を気にせずに交流ができるよう、一般には非公開とした。
この「発表・質疑形式での交流」では、あえてビジュアルの使用を制限(3つまで持ち込み可)することで、全く前提を共有しない他者になんとか自分の営みを理解してもらうべく、自身にとっては非常に根本的なところから言語化するという試みだった。原則、紙とペンのみ、30分間の発表と20分の質疑(研究者6名)、20分間の発表と2名で15分の質疑(アーティスト11名)とした。
科学島、アーティスト島の2つの島にわかれて行い、各ファンダメンタルズは自身の発表がない時はパートナー候補を中心に関心のある発表に参加した。
2-d-v. 直接的な交流
二日目は、「他者を介した交流」と「直接的な交流」を実施した。
「直接的な交流」では、20名の科学者とアーティストは各々事前に通知されたパートナー候補1ー5名と1対1で40分づつ、PCを用いて視覚情報を見せながら具体的直接的ないわゆる交流を行った(島3ー6)。
2-d-vi. 他者を介した交流
「他者を介した交流」は哲学研究者をモデレータとして迎えることで、90分の枠の中で、科学者とアーティスト両名だけでは得難い視点を含む交流を試みた(島1ー2)。
2-d-vii. 一般公開
当日は、オンサイトにて参加ファンダメンタルズを紹介するビデオクリップを収録。バザール一般公開に先立ち、オンライン公開した。
一般を対象として、「他者を介した交流」の記録映像を、ファンダメンタルズのyoutubeチャンネルで期間限定配信した。
また一般を対象とした非公開オンライン対話プログラムとして、視聴者同士でこの交流の記録映像を一緒に見て、それについて対話を行う試みを実施した。一般視聴者にもファンダメンタルズが行う交流を疑似体験してもらうことが目的である。(1)難波x安里x増山の回と、(2)福永x吉田x増山の回で一般参加者を募った。(1)は5名の応募があり、当日の参加者は3名で実施した。(2)は定員に足らずに実施を取りやめた。
3. 実施結果
3-a. ペア形成
アーティストの応募者数が研究者の応募者数と非対称であった。ペアの成立を一義とする観点から、指標を指針として、研究者の意向にそうアーティストを研究者にアサインする方針をとった。結果として、研究者には意向にそうアーティストがアサインされたが、アーティストの中には意向にそう研究者がアサインされなかったケースがある。
結果としては、「他者を介した交流」でのペア形成は4つ、「直接的な交流」でのペア形成が3つ、運営が推薦したパートナー候補以外とのペア形成は0だった。また、複数の交流の同時進行希望者は1名、辞退が2名、昨年と変わり、単数の交流進行が主流となった。
一ノ瀬俊明 (都市環境学) × 大槻唯我 (写真)
大黒達也 (神経科学/計算論的音楽学) × 安里槙 (現代美術/インスタレーション)
寺田健太郎 (宇宙地球化学) × 北野謙 (写真)
寺田健太郎 (宇宙地球化学) × 山口貴子 (ミクストメディア)
難波亮 (理論的宇宙論) × 森政俊 (写真)
巴山竜来 (数学/グラフィックスプログラミング) × 山本雄基 (絵画)
福永真弓 (環境社会学) × 吉田ゆう (写真複写技法)
3-b. 参加したファンダメンタルズからのフィードバック(n=20)
3-b-i. 概要
バザール全体の満足度は95%が満足(満足35%、とても満足58%)、5%が普通だった。昨年の100%とほぼ等しく満足度が高い。
プログラム毎では、全体の3-4割の参加者はいずれのプログラムにも満足している。「直接的な交流」(100%)、「他者を介した交流」(83%)、「発表・質疑形式の交流」(74%)「配布資料での交流」(63%)の順に満足が多く「普通」が少ない。ただし「配布資料での交流」と、「他者を介した交流」には5-6%不満の回答もある。
パートナー候補の組み合わせについては、84%が満足(満足37%、とても満足47%)、16%が普通。これは昨年(70%が満足)よりも評価が高い。
3-b-ii. 全体
プログラムの趣旨への言及があり、
このプログラムの趣旨はとてもこれからのアーティスト・科学者にとって有意義な場所であり・経験であると思う。数値に置き換えられないアーティストと、芸術という数値化できない感覚・興味への視覚化・観念化になれていない研究者との交流の場として、このプログラムが継続化できることが望ましい。(美術)
実践的に会を設けるという動き自体が大切(美術)
このような取り組みが成り立っていること自体が、アカデミズムの希望だと感じます。なんとか長期間継続するプロジェクトになって欲しいです。(美術)
交流を可能にするフラットな構造についての言及も見られた
当初想像していた以上に、フラットに交流ができ、アーティストとは異なる視点から世界をみている科学者と、今回のような形で対話ができたことはとても有意義だった。(美術)
他の異分野交流の場合とは異なり、あまり我を殺さずに様々な分野の方と交流できたのは稀有な体験でした。(哲学)
こんな有意義で可能性に満ちている場、違った専門性にリスペクトを持てる場が確保されていることが素晴らしいです。(美術)
会場・プログラムについても効果的であったことがわかる
各人の学問的・芸術的な関心を強く押し出しながら、かなり離れた分野の研究者とアーティストの交流が行われている点で優れたイベントだと思いました。(哲学)
ルーム、バザール1日目、2日目という流れの作り方、会場構成やプログラムも取り組みやすかったです。(美術)
アーティスト・サイエンティストの間で、上辺だけでなく突っ込んだ交流を密に取らせてもらうプログラムになっていて、とても充実した経験をさせていただいています。(科学)
短時間で要点のみを伝え合う交流だったので、常に頭がフル回転でした。(美術)
劇場空間(学内に劇場があること自体、国立大学ってすごいです)に作られたステージは印象的。シンプルで話したり考えるのに適した、居心地の良い空間でした。(美術)
会場の雰囲気もよかったです。(哲学)
休憩時間が長めだったのも、よかった(美術)
対話回数的に科学者の負担が大きかったか(美術)
参加者にとっては良い機会であったことが伺える
参加前は不安だらけでしたが、実際に参加してみると大変刺激的で、あっというまの二日間でした(科学)
大変面白かった。参加してよかった。(美術)
とても面白い試みだと感じました。(美術)
科学者・科学領域との交流については大学・研究機関に所属していないアーティストには機会はほとんどないので、試みとしてとても良い時間を経験させてもらえました(美術)
アーティスト側から見たときには発見、気づきの多い有意義な会(美術)
大変緊張して参加しました。いただいたいくつかのキーワードだけでも新鮮で、考えることがたくさん生まれたように思います。いくつか課題もいただきました。(美術)
この取り組みが続くことを願っております(美術)
貴重な機会(美術)
良き勉強の機会になりました。(美術)
違う角度から対象を捉えられると気付きになりました(美術)
非常に濃密な経験になりました。(美術)
対話が始まってから、時間を忘れるほどイベントに没入していました。(美術)
このような機会を設けていただき、参加できて感謝しています。本当に得難い体験でした。(美術)
開催と運営ありがとうございました。面白かったです。参加できてよかったです。(美術)
おかげさまで充実した2日間でした!(美術)
貴重な機会をありがとうございました。(美術)
このたびは非常に面白いイベントに参加させていただきありがとうございました。(哲学)
アーティストの「温度」や「圧」を、直接肌で感じ取れて貴重な体験でした。(科学)
皆さんが逃したくない単語や文脈をメモしているように見えて楽しかったです。(美術)
アーティスト同士、研究者同士の交流への希望も多くみられた
作家のみなさんのお話を聞けませんでした。アーカイブでフォローしたいと思います。(美術)
作家間交流の機会もあまり持てなかった(美術)
アーティストの方のお話をあまり伺えなかったので、動画お待ちしております。(美術)
合間にお話しした作家の方々はどなたも面白いことをされていて、お話をお聞きしようと思いました(美術)
アーティスト間(研究者間も?)の交流の機会があるとさらに良い。(美術)
参加されている皆さん(特にアーティストの方)の発表もききたかった(美術)
研究者同士話す機会があっても良かったかもしれません。(科学)
科学者だけでなく、他のアーティストと交流できた点も良かった。(美術)
フリートークの時間枠を設けたり、ジャンル区分をせず対話する時間枠などがあると、より話しやすかったりするかもしれません(美術)
最後の回で科学者と交流希望のない場合は、作家同士の交流のタームにしてもいいのかもしれない(美術)
どのようなアーティスト、どのような科学者か、については多様な意見があった
科学者に出会った興奮はもちろんのこと、集まったアーティストのタイプも何となくここを選んだのがわかるような主観を一旦遠ざけるような方々が多い気がして面白かったです。(美術)
アートの分野も幅広いので、研究者の方が思い描くようなアーティストが、あの場には来ないのでは(美術)
「アーティスト」の質の保証がないのが不安でした。どこかのギャラリーに所属しているということであったり,何らかの賞を取っていることを応募条件にしてみては。技術や科学の知識があるメディアアートの人がいると,より深い部分まで話ができるのでいい。そういった組織と連携して作家をセレクションするのもいいかも。(科学)
今回生物学専門の研究者が少なかった。話を聞く、対話する機会が別途あれば良いなと期待(美術)
科学以外のことを専門としている方ももう少しいるとより幅が広がるかもしれない(美術)
研究者の方が、アートやアーティストを使う対象ではなく、協働する対象としてみることができるかどうかが、ファンダメンタルズの継続と広がりに繋がるかと思う(美術)
説明会やルーム等で運営と参加者が交流をする過程で、運営へ参加を希望する参加者も出た
運営のお手伝いをしたことで、個人的にはコミュニケーションを”はかる”場づくりを少しだけできたのでは(美術)
撤去にも参加できてよかったです。(美術)
運営などを通して場を構築することに関心を寄せる方も多いのではないか(美術)
運営の方々も合わせて打ち上げをやりたい(美術)
運営の皆様と、ゆっくりお話がしたいです。(美術)
スタッフさんも若い科学者兼アーティストがいるというのは良い(美術)
スタッフの方とも、イベント終了後や、ランチタイムにいろいろ話ができて楽しかったです。(科学)
その他提案・課題として
複数間の交流
多角形のサイエンティスととアーティストの交流の場として、「ルーム」のような感じで、ひとつのテーマについて誰かが話し、それについて興味のある人が参加、ディスカッションする機会があると良い(美術)
(複数の参加者による)広い意味でのコラボ企画もありか(美術)
助成金
ファンダメンタルズにアートの側から助成金申請できないか(美術)
アーカイブについて
どのようにこのプログラムをアーカイブするのかが気になります。(冊子を作るのか、デジタルアーカイブをするのか)(美術)
オンライン開催の要請
安心安全のため、オンライン参加パターンやオンラインパート、があってもよかったか(美術)
外部のフィードバックの要請
対話内容に外的フィードバックがあればより参考にできると思います。(美術)
哲学研究者のプレゼンの要請
二日目最後の回(フリー組み合わせだった時間帯)に希望者のみ哲学の回の発表の場を設けても(美術)
(例えば最後の回で)哲学者の研究や興味についても聞く機会があると、イベント全体としてのバラエティの豊かさも上がるかもしれない(美術)
バザールの会場にて、8月の一般公開に向けて自己紹介ビデオを撮影した。これについてアンケートの項目を立ててもよかったかもしれない
ビデオでの自己紹介は、各自で撮影し用意いただいてもいいかもしれない(美術)
3-b-iii. 発表・質疑
「発表・質疑形式の交流」は74%が満足(満足32%、とても満足42%)、26%が普通だった。
未知の経験ゆえ、交流への不安が大きかったことが伺える
他分野の方々にとって聞いて面白いのだろうかと一番心配していた部分でしたが、終わってみると、質疑応答も含めて充実した交流になりました(美術)
最初は事前の交流がないので不安でしたが、お互いのチョークトークから話題が弾み、問題なく交流することが出来ました(美術)
アーティスト島と科学者島に分かれることについて、
アーティストのトークと科学者のトーク、自由に選択できるのは良かった。(美術)
他のアーティストの発表を見られなかったのは、少し残念だった(プログラム上仕方ないことは理解しています)。(美術)
研究者同士話す機会があっても良かったかもしれません。(科学)
チョークトークという形式について
2日目に向けて何を話すか具体的に方向性を考えることができるきっかけとして適切に機能していた。(美術)
発表者の活動と人となりがよく伝われる優れた交流方法だと思います。Power Pointを使用したプレゼンより非言語的な情報が多く見ごたえがありました。(哲学)
話すテーマなどを固めてしまうとポジショントークになりがちなので,そういったものが無いのは良い(科学)
(2名1組での質疑形式は)双方に異なる回答が出たことなども興味深かった(美術)
研究者がアーティストの発表に異分野としての興味から様々な視点で質問をしてくれる視点はアーティストには新鮮だったと思う。(美術)
難しかった側面もあることが伺える
チョークトークいう形式で発表したことがなかったので、準備してきた内容を持ち時間内に伝えることが難しかった。研究者の人たちの手順・進行・内容の取捨選択はとても参考となった。(美術)
紙に書きながら話すことが下手すぎたり、有効活用の方法をもっとイメージしてから望めば良かった(美術)
結果は多様で、得るものがあった側面もあり
活動(研究・制作)を続ける上での共通点や参考になるヒントも見受けられる(美術)
(科学の)研究分野と方法の幅を少しだけ理解しました。いくつか新鮮なキーワードをえた。(美術)
得られなかった側面もあった
お互いの興味のあるところになかなか出られないのがちょっと残念でした。(科学)
作品についての話だけではなく、何故そういう作品たちを作るに至ったのか、それは自分のどこに由来するのかというような、原点に触れてくれると、その後の交流がより深みを増せたかもしれない(科学)
3-b-iv. 他者を介した交流
「他者を介した交流」は83%が満足(満足33%、とても満足50%)、11%が普通、6%が不満だった。
評価すべき点としては、
直接的な交流とはまた異なり、建設的な対話ができたように思う。
このダイアログがなければできなかった、双方の気持ち(真意的)の表現に役立ったのではと思います。
第3の視点が入り新鮮でした。(美術)
議論の幅と深みが増したように思います。(科学)
科学者・哲学者それぞれの個性もとてもユニークで、組み合わせの妙を感じました。(美術)
他者を介した交流の美点は、ほぼ初対面の相手と事前準備なしで場当たり的に対話する点にあります。科学や芸術におけるブレークスルーは意図して引き起こせるわけではないからです。
対話にモデレータが入り3名となるという構造については
哲学者の方が入ることで、アーティスト、研究者とあわせ、ファシリテーターが入れ替わるところが興味深かった。時々、哲学者と研究者が話し込んで、アーティストがモデレーターになっている会もあった。(美術)
3人という組み合わせがとても良かったように感じました。直接的な交流の時と比べて、他の二人の話を聞いている時に、肩の荷が降りたような自由で柔軟な気持ちでいることができ、それが結果的に会話のキャッチボールを楽しむのにもいい影響を与えていたように思います。純粋に場を楽しむことができました。(美術)
対話相手が真、善、美、自然、人工、主観、客観といった諸学問の基礎概念をそれぞれどのような意味で使っているかを把握し、そこから両者の立場の共通点と相違点の可視化を試みるというモデレーターの仕事は哲学研究者には向いていると思います。諸学問の基礎概念の用法の変遷過程をたどることが哲学研究の課題の一つだからです。(哲学)
モデレートを哲学研究者が担う点については、評価が分かれている。これは運営の設計ミスにより、チョークトークに参加できた哲学研究者とできなかった研究者がいたことに依存する部分が大きい。
哲学の方のバックグラウンドなど、チョークトークまではいかなくとも簡単な発表があるとより入りやすいかもしれないと思いました。(美術)
哲学者の方も、科学者アーティストと同じように初日のプレゼン的な相互理解のプロセスを踏んでからの方がより深まるのではないか。(美術)
前日のチョークトークに哲学者の方も参加(見るだけでも)していた方が、対話がスムーズに進んだとも感じた。(美術)
モデレータに、初日と同様の話をする部分が長かった。(美術)
議論がさほど深まらなかった感があります。(美術)
表象文化論を研究されている方だと、より異分野の横断が可能だと思いました。
応用倫理学系のファシリテーターでも面白いかと思いました。
対談全体は非常に楽しかったのですが、質問に答えることしかできず、モデレータに質問できなかったことが心残り。(美術)
対話の設計と進行の兼ね合いについては
美点を損なわない範囲で進行方法に関して少しだけ事前打ち合わせがあってもいいなと思いました。(哲学)
交流の前に15分程度で良いので、(交流の流れを決めるのではなく)「一番最初に何のトピックから始めるか」だけを決めておく時間があると良い(科学)
(事前の)交流を増やしすぎてしまうと、「いきなり出会って何が生まれるのか」という理念が失われてしまうと思う(科学)
長さについては
少し長い。聴講する側としても長いような気がする。(美術)
90分はちょうど良く盛り上がった。(美術)
90分をしっかりきくためには思いのほか集中力が要りました。(美術)
全体の満足度は様々だった
すばらしい先生についていただけて満足しております。ご説明もわかりやすかったです。
大変満足しました.
いったいどんな話になるのか、だれも予測できないというある種のスリルがあったと思います。そして思わぬ方向性が現れたりするのが興味深かったです。
ライブで起こる魅力が現れていました
進行テーマと進行方法が終始わからなかった。私が知りたい情報は得られなかった。そもそも誰向けなのか?
3-b-v. 直接的な交流
「直接的な交流」は100%が満足(満足44%、とても満足56%)だった。
感想としてはまず面白いという点、
其々、面白かった。(美術)
いろいろ刺激と気づきがありました(科学)
調べているのは面白い(美術)
お話を伺い非常に新鮮でした(美術)
貴重な体験(美術)
長さについては短いという意見が大半だった
時間が全然足りないA,(科学)
あと10分でいいので、時間が欲しかった。(美術)
短かった。もっと長くても全然いけたし、初めてなのでこのくらいなのが良いのかもとも思う。(美術)
40分も適度な時間だったように思う。(美術)
1回の交流時間を減らして,回数を増やすのもアリかと思いました.(科学)
構造として評価すべき点としては、
ある程度面識ができてからの交流となったなので、研究者・アーティストの興味の領域というのみでなく、雑談することからの相手の興味・関心に触れられるという点(美術)
ひとつひとつリアクションを得、感じながら会話を進められる。(美術)
初日より具体的な話ができた(美術)
瞬発的な反応や発言をする/されることが可能だと思いました。(美術)
アートvsサイエンス以外の部分でも有意義な交流ができました。(科学)
話しやすいステージでした。(美術)
しかしプログラムの設計には改善の余地があり、
アーティストの方は手持ち無沙汰な時間がある(科学)
アーティストと研究者の人数に差がある場合、アーティスト同士、サイエンティスト同士の交流、あるいは意見交換の時間があっても良いのかもしれない(科学)
自分以外の直接的交流も観客として聞きたかった(美術)
他の参加者の交流を聞くことができないのは少し心残り(美術)
参加者には多様性があることから
それぞれの研究者の興味関心と参加動機が多様だった(美術)
すぐに何かが芽生える感じはないですが、凝り固まった感性がcultivateされた(耕された)(科学)
パートナーを組む場合どの部分でいい相互関係を見出せそうかを意識して交流するよう心がけました(美術)
現状を超える何か対話の仕組みがあると良いのかもしれない
アートへの誤解を解くことで一歩先の話をすることができたのでは(美術)
研究者の方には、自身の研究の細部や本音をガリガリ話して欲しいと思いました。研究に対する姿勢や生き様をもっと知りたかった。(美術)
もう少し詳しく知ることができるとよかった(美術)
雑談が出来る仕組みがあるとよかったかもしれない。あるアーティストの作品を見て解釈しあう、など。(科学)
3-b-vi. パートナー候補
パートナー候補の組み合わせについては、84%が満足(満足37%、とても満足47%)、16%が普通だった。
適切という声が多く
よかった(科学)
身を委ねている感覚でドキドキしました(美術)
返ってそれが良いのかもと感じました。自分の意思だけではなかなか視野に入りにくい分野の方もいると思うからです。(美術)
おおよそマッチングはうまくいっていたと思います.(科学)
的確すぎて怖いくらいでした。現在の候補者選出の方法は精度が高いものになっているのではないかと思います。(科学)
自分の関心と直接繋がりのあるお話ができたので、おどろきました(美術)
非常に適切(美術)
適当だった。(美術)
今回のパートナー候補との交流はとても有意義な時間を経験できました(美術)
特に不満はありませんでした。(哲学)
他には、
候補者のアサイン以外の可能性
共通点のない参加者同士でも、何かしらの共通点は確実にあると感じた。(美術)
短くて良いので(全員と)対話の時間を設けると、意外性のある発見が生まれるようにも感じた。(美術)
継続性
継続的なお話をしていきたい(美術)
両者の期待値設定についての懸念
研究者側のアーティストに期待することに言及出来ないことが気掛かり(美術)
パートナーの選択について
パートナー候補の希望を正直2人に絞るのは非常に困難でした(科学)
(候補者のアサインが)1名のみだったら、比較対象がないので候補選びの判断が難しかったかもしれない(美術)
複数のペアを形成し同時施行を希望したい(美術)
等があった。
3-c. ライブ配信 視聴数
920回
3-d. 視聴者からのフィードバック
公表に足る結果を集めることができなかった。
4. 課題
運営はスムーズで参加者の満足度も高かったが、参加者から緊張した、参加前は不安だった、という声が多くあることから、総覧を事前配布する、当日簡単な自己紹介の時間を設けるなど、アイスブレイクの仕組みを検討してもよい。
一方、一般を対象としたプログラムの一般公開は、視聴数はあるものの、視聴者からのフィードバックがなく、対話プログラムへの応募者が少ない。次回以降のコミュニケーション設計を検討していく必要がある。
また、プログラム全体のアーカイブについてと、哲学研究者の参加方法について、他者を介した交流の進行、直接的な交流の工夫も検討していく必要があるだろう。
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