• JACST隣接部会

ファンダメンタルズ フェスmini プレイベント 美術篇

更新日:3月13日

美術という"謎"

> 視聴する

スピーカーの諸氏は、同じ美術批評という形で美術に触れているが、その専門は、「モダニズム」、「制作/遊び」、「思想」と大きく異なります。

なぜ美術批評なのか、「モダニズム」なのか、「制作/遊び」なのか、「思想」なのか?諸氏のそもそものモチベーションについて話題提供をいただき、美術において我々は一体何に触れているのかについて考える所から議論をはじめたいと思います。


人口が飽和し、テクノロジーが成熟し、地球環境が逼迫している現在、美術は、責務を期待されないゆえに自由でいられるオルタナティブな存在ではなく、美術が美術としてユニークに責務を果たすことが求められている状況にあるように思われます。美術は構築と解体を繰り返す。しかし今は美術という"謎"に多少なりとも形を持たせる必要があるように思われます。そしてそれができるのは、社会でもマーケットでもない、今制作に携わる個々人だけでしょう。


現在、"真善美"や"普遍"といった概念をアクチュアルだと感じる方は少ないだろうと思います。しかしこの美術という"謎"を真摯に扱おうとした場合、あまり馴染みがない、可能性がない、必要性がないように思われるこれら概念を再考し再利用せざるを得ないのではないでしょうか。


美術は自明なものでしょうか?ここでは仮に"謎"とする所から始めたいと思います。


スピーカー

沢山遼(さわやま・りょう)

美術批評家。1982年生まれ。武蔵野美術大学造形研究科修士課程修了。2009年「レイバー・ワーク カール・アンドレにおける制作の概念」で美術出版社主催、第14回芸術評論募集第一席。著書に『絵画の力学』(書肆侃侃房、2020年)。主な共著に、『絵画との契約―山田正亮再考』(松浦寿夫ほか、水声社、2016年)、『現代アート10講』(田中正之編著、武蔵野美術大学出版局、2017年)などがある。令和2年度文化庁「新進芸術家海外研修制度」研修生として米国(ニューヨーク)に滞在。


中尾拓哉(なかお・たくや)

美術評論家。1981年生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士(芸術)。現在、多摩美術大学、東京藝術大学、東京工業大学非常勤講師、立教大学兼任講師。近現代芸術に関する評論を執筆。著書に『マルセル・デュシャンとチェス』(平凡社、2017年)、編著書に『スポーツ/アート』(森話社、2020年)、監訳書にマシュー・アフロン『デュシャン 人と作品』(フィラデルフィア美術館、2018年)などがある。

星野太(ほしの・ふとし)

1983年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授。専攻は美学、表象文化論。主な著書に『美学のプラクティス』(水声社、2021年)、『崇高の修辞学』(月曜社、2017年)、主な訳書にジャン=フランソワ・リオタール『崇高の分析論──カント『判断力批判』についての講義録』(法政大学出版局、2020年)などがある。


モデレータ 坪井 あや(JACST隣接領域と連携した広報業務部会 / カブリ数物連携宇宙研究機構 広報)

立教大学社会学部、Chelsea College of Art卒業。Ongoing;作家による公募互選プロジェクト立上げ、谷中ホテル;4畳半の私設展示室設立を経て、2009年からKavli IPMU。Kavli IPMUの科学を単独で広報するパブリックプログラムに加え、アーティストインレジデンスや、科学者と哲学者のトークなど、科学・哲学・美術をつなげたパブリックプログラムを行う。

プログラム

19:00-19:10 イントロダクション

19:10-19:40 スピーカーからの自己紹介。なぜそれなのか?

19:40-20:20 議論

20:20-20:30 質疑

*当日の状況により、時間は前後する可能性があります

概要

タイトル: ファンダメンタルズ フェスmini プレイベント 美術篇 美術という"謎"

日 時: 2022年2月15日(火)19:00- (90分程度、後日アーカイブ配信の予定)



会 場: オンライン開催(ファンダメンタルズ Youtubeチャンネル

対 象: 主に現代の美術に携わる方々

参加費: 無料

定 員: なし

主 催: 科学技術広報研究会(JACST)隣接領域と連携した広報業務部会

共 催: 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)

助 成: 日本学術振興会 (JSPS)

協 力: 大阪大学大学院理学研究科, 理化学研究所 数理創造プログラム(iTHEMS)

 

ファンダメンタルズ プログラム



企画「ファンダメンタルズ プログラム」は、最先端科学を中心とした分野の研究者と現代の美術を中心とした作家のことを、共に何か普遍に通づるものを追うものとして”ファンダメンタルズ”と名付け、(1)多様な両者が一切の偏見なく交流ができる環境を整備すると共に、(2)目先の意味を超えて何か普遍に通づるものを追うという営為自体の有意性を広く一般に広報していく、この2点により、科学・アート・社会を新たに結びつけ直し、新たな文化を生むことを目指すことを目的としたプログラムです。


主に科学・技術分野の研究機関や大学などの広報担当者が、科学・技術を芸術や哲学等と連携させた広報業務を実践的に研究する、「科学技術広報研究会(JACST) 隣接領域と連携した広報業務部会」が中心となって運営しています。


昨年6月に日本科学未来館で無観客ライブ配信で開催した、科学者とアーティストが丸腰で交流するプログラム「ファンダメンタルズ バザール」では、主に公募で集まった20名の科学者とアーティストが参加し、15組のペアが誕生しました。


それから約半年間に渡るこの15組の交流の中間報告会となる「ファンダメンタルズ フェスmini」を、この3月に実施します。


本企画は、「ファンダメンタルズ フェスmini」のプレイベントとして、3つの異なる対象ーアーティスト、科学者、学生・社会人それぞれに向けた座談会をその専門家をお招きして実施するものです。ファンダメンタルズ プログラムの意義と課題、またファンダメンタルズ プログラムを取り巻く状況をオープンに検討することで、射程は深く範囲は広く議論を拓き、より多くの方にファンダメンタルズ プログラムとの接点を見出していただけましたら幸いです。

 

ラインナップ


美術篇:「美術という"謎"」 2月15日(火) 19:00-20:30

スピーカー

  • 沢山遼(美術批評)

  • 中尾拓哉(芸術学)

  • 星野太(美学)


社会篇:「学知は"役に立つ":価値の再考」 2月25日(金) 19:00-20:30

スピーカー

  • 加藤哲彦(株式会社トイビト)

  • 西村勇哉(NPO法人ミラツク / 株式会社エッセンス)

  • 深井龍之介(株式会社COTEN)


科学篇:「探究と架橋:基礎科学の可能性」 3月10日(木) 8:00-9:30

スピーカー

  • 佐々田槙子 (確率論, 東京大学 大学院数理科学研究科 准教授)

  • 初田哲男(素粒子・原子核理論, 理化学研究所 数理創造プログラム プログラムディレクター)

  • 山極壽一(霊長類学, 総合地球環境学研究所 所長)

 


 

*本企画は日本学術振興会 (JSPS) 科研費「多機関による科学と隣接領域を連携したアウトリーチ活動の検証とプラットフォーム構築」(21H04053)の助成を受けたものです。

閲覧数:366回